The Beach Boys 「All Summer Long」 (1964)

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1. I Get Around
2. All Summer Long
3. Hushabye
4. Little Honda
5. We'll Run Away
6. Carl's Big Chance
7. Wendy
8. Do Your Remember
9. Girls On the Beach
10. Drive-In
11. Our Favorite Recording Sessions
12. Don't Back Down
(Bonus Tracks)
13. All Dressed Up For School
14. Little Honda (Alternate Take)
15. Don't Back Down (Alternate Take)

ビーチボーイズの通算6枚目のアルバム。とにかく彼らも素晴らしく「いい曲」が多いので困りますが、一般的なイメージとしても受け入れやすく、アルバムとしての完成度も高い本作から紹介します。全米1位を獲得した「I Get Around」、ホンデルズのバージョンでトップ10に入った「Little Honda」、同名映画の主題歌で、日本では山下達郎がカバーしたことでも人気の「Girls On the Beach」など、名曲がたくさん入っています。

個人的に特に好きなのは、後年の映画「アメリカン・グラフィティ」で印象深く使われた、まさに映画的な曲「All Summer Long」。いろんなシーンがあらわれては消え、とイメージさせるような歌詞と、エンドタイトルにピッタリの曲。これが若干21歳の若者が作る音楽か!? 

ビートルズが、ジョン・レノンとポール・マッカートニーというふたりが切磋琢磨してお互いの才能を開花させていったのに対して、ビーチボーイズはリーダーのブライアン・ウィルソンが、いろんな作詞者と共同作業することでイメージを膨らませていったとはいえ、基本的にひとりで突き進むスタイルでした。ブライアンは、アイドル・バンドとしてイメージを固定し安定した収益を得たいレコード会社と意見が食い違い、やがて対立するようになりますが、この天賦の才を万全のバックアップで世に送り出せなかったのは、現代アメリカ音楽史上で最大の失敗だったと言っていいでしょう。

もう一曲紹介しなければならないのは、シンプルな中にも若者特有の苦悩を見事に描いた「We'll Run Away」。つまり、“駆け落ちしてやるぅっ!”っていう歌なんですが、恋に翻弄されている心の状態を、これほど音楽として描ききった曲をボクは知りません。幼稚ではあるんですが、一応若者なりに考えてはいるんだっていうことが、エンディングのラインでは音楽的にも“オチ”になっています。ビーチボーイズの中ではあまり話題にならない曲ですが、彼らの魅力のひとつを最大限にあらわしているこの曲を聞き逃す手はありません。1分59秒、一瞬も気を抜かずにお聴きください!

当時は発表されず、ボーナス・トラックとしてCDに収録された「All Dressed Up For School」もビックリ仰天!です。この曲を聴くと、当時のブライアンが、ビートルズなど同世代のミュージシャンとは一線を画すアレンジ力を持っていたことがハッキリとわかるでしょう。こんなカッコいい曲がなんでボツになっちゃったの!?

あなたがビーチボーイズ初心者だとしても、イメージを大きく外れることなく、きっと満足いただけるアルバムです。
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by copain-eiji | 2004-09-07 17:00 | ■CD


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